福島県16医師会中、2医師会導入を見合わせ14医師会慎重対応

 毎日新聞後期高齢者医療制度:主治医制度、14医師会慎重対応 医療機関に判断委ねる /福島、より。

後期高齢者医療制度:主治医制度、14医師会慎重対応 医療機関に判断委ねる /福島


 後期高齢者(長寿)医療制度に伴い導入された患者に1人の担当医を決める「外来主治医制度」で、県内16医師会のうち2医師会が導入を見合わせ、残る14医師会も各医療機関に判断を委ね、慎重な対応をしていることが毎日新聞の調べで分かった。一方、主治医制度の利用届を提出した医療機関は約15%にとどまり、医療現場で制度に批判的な声が上がっている。【西嶋正法、松本惇】


 ◇石川郡、安達は見送り
 新制度では、糖尿病や結核など慢性疾患の患者が主治医を決め、診療料月額6000円(患者負担は原則600円)を支払うと、何度でも検査や画像診断を受けることができる。従来の出来高払いにするか、定額払いかは、患者の同意を得て医療機関が選択できる。


 制度を利用する際は、医療機関社会保険事務局への登録が義務づけられているが、県内の1280の医療機関のうち、22日までに登録したのは約200カ所だった。


 安達医師会に続き、19日に制度導入の見送りを決めた石川郡医師会の田畑裕会長は「医療現場で混乱を生む恐れがある中で、急いで導入に踏み切る必要はない。医療機関の協調性がなくなると、地域医療に及ぼす影響も大きい」と話した。


 他の医師会も、制度には懐疑的な意見が多く、いわき市医師会の国井信夫事務局長は「主治医が1人に決まると他で受診できなくなり、患者は必要な診療を受けにくくなる」と話した。田村医師会の奥秋盛美会長も「個人の判断に任せているが、賛成は少ない。個人的にも反対」と語った。会津若松医師会の渡部貞夫事務局長は「医師が少ない地域では、患者が誰を主治医にしたのかが分かり、医師同士のトラブルにもつながる」と危惧(きぐ)するが、「届け出している医療機関もあり、現場の混乱を防ぐため医師会としては静観する」と話した。


毎日新聞 2008年4月23日 地方版


 見出しが気になる。「県内16医師会のうち2医師会が導入を見合わせ、残る14医師会も各医療機関に判断を委ね、慎重な対応をしている」ということならば、「後期高齢者医療制度:主治医制度、2医師会導入を見合わせ14医師会慎重対応」とすべきではないだろうか。
 福島県は、青森県と比べ、届出をした医療機関は多い。「医師が少ない地域では、患者が誰を主治医にしたのかが分かり、医師同士のトラブルにもつながる」という危惧が現実のものにならないようにすべきだろう。地区医師会が慎重な対応を呼びかけている以上、実際に算定する患者は少なくなるのではないか。