リハビリテーションに係る中医協資料

 M3.comにWIC REPORTの記事が配信された。引用する。

診療所の再診料引下げ、7対1に看護必要度と医師要件導入  中医協論点整理


記事:WIC REPORT
提供:厚生政策情報センター


【2008年1月17日】
 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会(第118回 1/16)《厚労省》  厚生労働省が1月16日に開催した中医協の診療報酬基本問題小委員会で配布された資料。この日は、昨年末に決定した改定率が報告され(P3参照)、これまでに議論された論点を「平成20年度診療報酬の基本方針」に沿って、整理した資料が示された(P6-P31参照)。  案によると、勤務医の負担軽減策の一環として、再診料の点数格差は必ずしも病院と診療所の機能分化・連携を推進する効果は期待できないのではないかとして、診療所の再診料引き下げを検討している(P9参照)。  また、7対1入院基本料は、「看護必要度」による基準を満たす病院だけが届け出ることができるようにするとして、看護必要度の導入に伴う激変緩和措置について記載されている。今回講じられる激変緩和措置は「看護必要度」の基準を満たせない場合には平成22年3月31日までの間、10対1入院基本料に加えて「看護補助加算」の算定を認める、というもの。また、医師数が病床数に対して10分の1以上で医療法標準を満たしていない病院には7対1入院基本料の減算措置を講ずるとしている(P15-P16参照)。


 中医協の診療報酬基本問題小委員会の資料がPDFファイルでダウンロードできる。


 11ページにリハビリテーション関係の方針が記載されている。

 平成19年4月の疾患別リハビリテーションに係る一部見直しにより導入された逓減制や医学管理料について、患者一部負担がリハビリテーションを受ける時期により異なってくるなど患者にとって分かりにくいとの指摘があることから、以下の通り見直す。

  1. 疾患別リハビリテーションに係る逓減制・医学管理料を廃止し、点数の一本化を図る。
  2. 発症後早期のリハビリテーション料について、「リハビリテーション早期実施加算」を設けて評価する。
  3. ADL加算について、病棟等におけるリハビリテーションが普及していることから廃止する。
  4. リハビリテーション総合計画評価料は、毎月1回算定できることとする。


 15ページに回復期リハビリテーション病棟の要件の記載がある。

 今後の急速な人口高齢化による脳卒中患者の増加等に適確に対応するため、回復期リハビリテーション病棟の要件に、施行的に質の評価に関する要素を導入し、居宅等への復帰率や、重症患者の受入れ割合に着目した評価を行うとともに、病棟におけるリハビリテーションの実施状況を踏まえて、当該病棟における医師の専従配置を緩和する。


 22ページに脳卒中対策についての記載がある。

 診療報酬改定結果検証結果等を踏まえ、地域連携診療計画の評価を以下の通り見直す。

  1. 疾患の特性及び医療機関間の連携の重要性にかんがみ脳卒中を対象疾患に追加するとともに、脳卒中に係る評価は医療計画に記載されている病院・有床診療所について行うこととする。
  2. 地域連携診療計画には、退院基準、転院基準及び退院時日常生活機能評価を明記する。
  3. 対象疾患や連携医療機関数の増加等を踏まえて、地域連携診療計画に係る評価を引き下げる。


 ほぼ予想どおりの内容が列挙されている。意外だったのは、ADL加算の廃止である。「リハビリテーション早期実施加算」との引き換えになったと推測する。
 回復期リハビリテーション病棟が生き残るためには、脳卒地域連携クリティカルパスを作成し、リハビリテーション効果がある患者を重症の段階から早めに引き取ることが求められている。


 「回復期リハビリテーション病棟の要件に、施行的に質の評価に関する要素を導入し」という表現がある。回復期リハビリテーション病棟は、他の診療報酬でも成果主義がうまくいくかどうか、実験台にされようとしている。