書評

ゴジラ音楽と緊急地震速報

ネーミングに負けて、思わず購入してしまった本である。ゴジラ音楽と緊急地震速報~あの警報チャイムに込められた福祉工学のメッセージ~作者: 筒井信介,伊福部達出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア発売日: 2011/12/22メディア: 単行本 クリック: 10…

社会格差という病「ステータス症候群」

入院前に読んでいて、内容をまとめようと思っていた書籍がある。社会格差という病「ステータス症候群」である。ステータス症候群―社会格差という病作者: マイケルマーモット,Michael Marmot,鏡森定信,橋本英樹出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2007/10/01…

「世界史」と「土の文明史」

本日、腰痛軽快し、無事退院となった。入院中、特に症状が軽減した後半に、ふだんできない読書三昧の時間を持てた。読んだ本は以下のとおり。世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,増田義郎,佐々木昭夫出版社/メ…

「オトことば。」を副教材として採用しようかな #otokotoba

腰痛で今日も仕事を休みました。痛みが少しは良くなってきたので、リハビリテーションもかねて近くの書店まで行き、「オトことば。」を購入してきました。オトことば。作者: 乙武 洋匡出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/11/11メディア: 単行本(ソフト…

サンデルだったら「正義」の視点でピストリウスをどう論じるか

ピストリウスが、400m予選を無事通過した。これに対し、同走したアスリートから抗議がだされている。 国際陸連によると、同選手は健常者と比べて少ないエネルギー消費で走れるとの研究結果もあり、賛否の議論は尽きない。レース後「アンフェアだ」と憤った中…

一流のプロは「感情脳」で決断する

一流のプロは「感情脳」で決断する、を読んだ。一流のプロは「感情脳」で決断する作者: ジョナ・レーラー,門脇陽子出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2009/04/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 141回この商品を含むブログ (3件) を見る 最新脳科学研…

仙台平野は津波の常襲地帯

仙台平野は津波の常襲地帯だったと主張する郷土史家の本が出版された。 東日本大震災前から巨大津波の襲来を警告していた仙台市の郷土史家飯沼勇義さん(80)が、新著「3・11 その日を忘れない。 歴史上の大津波、未来への道しるべ」を出版した。 (中…

「津波被害 -減災社会を築く」

昨日、自宅近くの紀伊国屋書店に行った。震災以来初めてである。ショッピングモール内にテナントとして入っているのだが、建物自体の被害が大きく、全館復旧したのがついこの間である。連結部の損傷が特に大きかった。未だにビル間の渡り廊下は通行止めとな…

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く

『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』という新書を読んだ。デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)作者: 藻谷 浩介出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/06/10メディア: 新書購入: 27人 クリック: 36…

ザッケローニ監督の自伝

サッカー日本代表が、見事アジアカップの頂点に立った。オーストラリアに攻め込まれる中、GK川島のファインセーブに何度も助けられ、李忠成が延長後半に上げた虎の子の1点を守り抜いた。終了と同時に、ピッチの選手がザッケローニ監督のところに駆け寄り、飛…

秋保おはぎの「さいち」

丸善で、「売れ続ける理由」が平積みにされていました。著者の佐藤啓二氏は、秋保おはぎで有名な「さいち」の社長です。売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法作者: 佐藤啓二出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2010/09/17メディ…

人工視覚実用化に向けた研究進む

ブレイン・マシン・インターフェース(Brain Machine Interface 以下、BMI)研究が新たな局面を迎えた。【関連エントリー】 BMIが開く未来(2010年9月5日) 大阪大大学院医学系研究科(大阪府吹田市)の不二門尚(ふじかどたかし)教授(感覚機能形成学)、神…

グローバリゼーションの前途

昨日紹介した「グローバリゼーション 人類5万年のドラマ」という書籍の後半部(第8〜10章)を読んで、重要と思える部分をまとめた。 グローバリゼーション 人類5万年のドラマ (上)作者: ナヤン・チャンダ,友田錫,滝上広水出版社/メーカー: エヌティティ出…

グローバリゼーション 人類5万年のドラマ

人類史の書籍を読み漁っている中で、「グローバリゼーション 人類5万年のドラマ」という書籍に出会った。 グローバリゼーション 人類5万年のドラマ (上)作者: ナヤン・チャンダ,友田錫,滝上広水出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2009/02/23メディア…

リハビリテーション栄養ハンドブック

先週末に横浜で行われたhttp://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~rehasen5/index.htmlに参加した。専門医のニーズに焦点をあわせた内容であり、濃密な2日間を過ごした。学術集会を主催された菊池尚久先生はじめ横浜市大科リハビリテーション科の先生方にあらため…

人類史に関する書籍

DNA解析の発展とともに、ヒト集団の系統関係を調べる分子人類学が急速に発展している。興味ある分野であり、関係する書籍を乱読している。 メモ代わりに、これまで読んだ本を列記する。# 翻訳書銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎作者: ジ…

BMIが開く未来

脳科学研究の第一人者川人光男先生が、ブレイン・マシン・インターフェース(Brain Machine Interface 以下、BMI)研究の現状を一冊の新書にまとめた。脳の情報を読み解く BMIが開く未来 (朝日選書)作者: 川人光男出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010…

土門拳「古寺巡礼」

山形県酒田市に土門拳記念館がある。地元出身の写真家土門拳の全作品が収蔵されている、日本初の写真美術館である。 土門拳記念館は、1983年に創立された。私は、この記念館に今まで4回ほど訪れたことがある。最初は、1986年か1987年に行った病院旅行の時、2…

イースター島モアイ像は地球への警告

イースター島は、モアイ像で名高い。石像は最大のもので高さ20メートルを超え、重量は最高270トンに及ぶ。東太平洋に浮かぶ孤島になぜこのような巨大像があるのか、様々な論議を呼んできた。宇宙人が作ったという荒唐無稽な説もある。 「銃・病原菌・鉄」で…

サッカーが勝ち取った自由

FIFA反差別宣言に対し、ネルソン・マンデラ前南アフリカ大統領がコメントを寄せている。 As Nelson Mandela, the former President of South Africa, said “Sport can create hope, where once there was only despair. It is more powerful than government…

リハビリテーション評価データブック

昨年秋の東北地方会で、兵庫医大の道免和久先生にCI療法に関する教育講演をしていただいた。その時に次のような内容の指摘がされた。 リハビリテーションの代表的指標であるADL評価では、脳卒中患者の上肢機能改善は測定できない。目的に応じて臨床指標を使…

銃・病原菌・鉄

丸善に立ち寄った時、朝日新聞「ゼロ年代の50冊」(2000〜2009年)の第1位に選ばれたとのことで、本書が大々的に宣伝されていた*1。題名にも惹かれ、購入した。上下巻あわせ600ページを超える大著である。銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の…

リハ医とコメディカルのための最新リハビリテーション医学

先端医療シリーズ40:リハビリテーション リハ医とコメディカルのための最新リハビリテーション医学が刊行された。私の病院も施設資料編の方でとりあげていただいた。 序文で、上月正博先生が本書の特徴を次のように記述している。 本書は従来のリハ教科書と…

医学探偵ジョン・スノウ

福岡の行き帰りに読んだ本である。医学探偵ジョン・スノウ―コレラとブロード・ストリートの井戸の謎作者: サンドラヘンペル,Sandra Hempel,杉森裕樹,大神英一,山口勝正出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2009/07/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35…

インビクタス

クリント・イーストウッド監督の【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|インビクタス/負けざる者たちを観た。映画館で原作を購入し、一気に読み終えた。インビクタス 負けざる者たち作者: ジョンカーリン,八坂 ありさ出版社/メー…

離島病院奮戦記

朝日新聞に、新年企画:島に生きるが連載された。 宮城県には、人が住む離島が9つある。http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000561001010003をみると、いずれの島も本土からの距離はさほど遠くない。しかし、ほとんどの島は住民減少が顕著であ…

歴史上の有名人の終末期

ドラマを見ていて、主要登場人物の終末期をあまりにも美化しすぎることにいつも不満を感じる。今わの際まで意識が清明で、最期の言葉を語り終え静かに閉眼する。ほんの少し診ただけで傍に控える医師がお亡くなりになりましたと告げる。親しい人が泣き崩れ、…

「もしドラ」を読んで

明けましておめでとうございます。私はいつになく平穏無事な新年を過ごしていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 年末年始の時間を使って、本の乱読をしています。本日は、岩崎夏海氏の処女作、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネ…

「日本辺境論」にみる日本語の特殊性

内田樹氏の新刊「日本辺境論」を読んだ。【関連エントリー】 NHKスペシャル、「読字障害」放映(2008年10月12日) 日本辺境論 (新潮新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/11/01メディア: 新書購入: 29人 クリック: 793回この商品を含むブロ…

障害(者)を取り巻く環境の歴史

前横浜市立大学リハビリテーション科教授、安藤徳彦先生の著書、「リハビリテーション序説」より、「障害(者)を取り巻く環境の歴史」の一節を紹介する。リハビリテーション序説作者: 安藤徳彦出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2009/04/01メディア: 単行本…