リスク管理

未知性が偏見や差別を引き起こす理由

先日のエントリーで「未知の漠然とした不安が、偏見や差別を引き起こす」ことを指摘した。このことに関し、少し掘り下げてみる。【関連エントリー】 障害者の社会復帰政策と施設コンフリクト(2015年1月2日) 友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心…

高齢者の入浴事故死は交通事故死より多い

有料老人ホームでの入浴中の溺死が報道された。 同署によると、5月7日午後4時30分頃、同ホーム6階にある浴室の浴槽内で、女性がぐったりしているのを職員が見つけた。女性は搬送先の病院で死亡が確認され、司法解剖の結果、死因は溺死だったという。ホ…

寝たきり患者における「介護骨折」

介護動作に伴って生じる骨折に関する文献、寝たきり患者における「介護骨折」 | 研究者情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンターを読んだ。興味深い内容だったので、重要だと思う部分を紹介する。 従来、介護動作にて生じる骨折は「おむつ骨折」と表現さ…

「疫病と世界史」

以前、本ブログでもとりあげたウィリアム・H・マクニールの「世界史」とジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」がベストセラーとなっている。【関連エントリー】 「世界史」と「土の文明史」(2011年12月27日) 銃・病原菌・鉄(2010年5月2日) カナダ…

「医学のあゆみ」リスク・コミュニケーション

医学のあゆみ 239巻10号 2011年12月3日 原発事故の健康リスクとリスク・コミュニケーションにリスク・コミュニケーション関係の論文5篇が載った。東日本大震災時に起こった福島第一原発事故を受け、リスク・コミュニケーションの重要性を指摘したものであり…

北九州爪切り事件の福岡高裁判決文

北九州爪切り事件の福岡高裁判決文が見つかった。裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面には次のような記載がある。 判示事項の要旨 看護師である被告人が,高齢患者の足親指の爪を爪切りニッパーで指先より深い箇所まで切り取ったなどとして傷害罪を認定し…

北九州爪切り事件が最終決着

北九州爪切り事件が最終決着した。【関連エントリー】 北九州市「認知症高齢者の爪きり事件」(2010年1月31日) 認知症の高齢者への爪切りケアを「虐待」とみなされ北九州八幡東病院(北九州市)を懲戒解雇された看護師上田里美さん(45)=同市八幡西区=…

ゼロリスク幻想が生まれる背景とリスクコミュニケーション

ゼロリスクについて調べていたら、「ゼロリスク幻想」とソーシャル・リスクコミュニケーションの可能性 / 山口浩 / 経営学 | SYNODOS -シノドス-というブログエントリーを見つけた。原発事故後のソーシャルリスク管理についてまとめたものだが、医療現場のリ…

マグミットをウブレチドと間違え誤調剤した要因

埼玉ウブレチド誤調剤事件の真相が少しずつ分かってきた。 エラーページ |日本薬剤師会内にある[PDF形式:3ページ、73KB]に、日本薬剤師会の見解が載っている。 さて、埼玉県警察本部は8月 19 日、埼玉県の薬局が誤調剤により患者1名を死亡させるなどした…

プラザキサ使用に関する日本循環器学会の緊急ステートメント

JCS - 日本循環器学会より、(8/12)心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメントについてが出された。プラザキサ(ダビガトラン)使用に関し、気になった点は次の下り。 一方、ビタミン K 非依存性のダビガトランは食物の影響を受け難く、薬剤相互…

プラザキサの使い方は意外に面倒

血液凝固阻止剤「プラザキサカプセル」服用患者での重篤な出血に関する注意喚起について |報道発表資料|厚生労働省より。 ○ 「プラザキサカプセル」(別添1参照)は、心房細動を起こした患者で血栓ができ、脳卒中や全身性塞栓症が発症しないよう、血液を固…

補償交渉における東電の不誠実な姿勢

東京電力という会社は、リスク管理が全くできていない。 農民連によると、東電職員は宮城県で「牛肉問題は汚染された稲わらを与えた農家の責任」と発言したという。福島県では「(補償対象だという)証拠を示す責任がある」と次々に資料を提出させ、賠償金の…

中国の交通事故死者数が不正確な理由

中国の交通事故事情について、http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(11)61153-7/fulltextが興味深い報告をしている。 At best, the Chinese Government's data for road-traffic fatalities are contradictory, and at worst, th…

相次ぐオーチス社製エスカレーター事故

中国地下鉄のエスカレーターで死亡事故が起こった。どうやら、積載量の小さいタイプのエスカレーターを導入したことが原因のようである。【関連エントリー】 エスカレーター事故、安全域が狭い設計だった?(2008年5月5日) 2011年7月6日、香港紙サウスチャ…

運転不適格者の除外には、欠格条項の厳格化より更新制度の改正が適切

てんかん発作と交通事故(2011年4月22日)のコメント欄で記載した内容を、加筆してエントリーとしてあげます。 運転不適格者を除外するためのシステムとしては次のようなものがあります。 (1)教習所:安全に運転できるかどうかは、実際の運転を見れば良く…

「検体取り違え」でアクセス急増

急にアクセス数が増えたため調べたところ、検体取り違えによる医療事故が報道されたからだということが分かった。【関連エントリー】 検体取り違えによる医療事故(2008年8月19日) 大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)で昨年4月、肺がん患者と別の70…

鉄道可動式ホーム柵設置費用

仙台市地下鉄に可動式ホーム柵が設置されてから、1年が経った。 上の写真は、可動式柵が設置された直後に撮った写真である。現在は、ホーム柵の白い壁面に広告が並べられ、仙台市の収入増に貢献している。 可動式ホーム柵は、転落予防に絶大な効果を発揮して…

「認知症高齢者の爪きり事件」、高裁で逆転無罪判決

「認知症高齢者の爪きり事件」に対し、逆転無罪判決がおりた。 【関連エントリー】 北九州市「認知症高齢者の爪きり事件」(2010年1月31日) 認知症のお年寄りのつめを看護師が切り、けがをさせてしまったのはケアか犯罪か。逮捕から3年2カ月。全国の医療…

薬の包装シートの誤飲事故

10数年前より、錠剤シートは1錠ずつ切り離せないような構造になっている。高齢者の誤飲事故が相次いだために、製薬メーカーが包装形式を改善した。しかし、包装の工夫だけでは、同種の事故は根絶されていないことが明らかになった。 注意!高齢者に目立つ薬…

ワーファリン調剤ミスで薬剤師書類送検される

ワーファリンの調剤ミスに関し、薬剤師が書類送検された。【関連エントリー】 ワーファリン調剤ミスによる医療事故(続報)(2009年4月30日) 心機能の低下などで2008年9月、東京都足立区の男性(当時82)が死亡したのは、薬剤師が処方箋(せん)の4…

完成直後の高速道路に穴、ガーゼ遺残事故と酷似

完成したばかりの仙台北部道路に穴が開いた。 3月末に開通した仙台市北部周辺を通る自動車専用道路、仙台北部道路の利府しらかし台インターチェンジ(IC)‐富谷ジャンクション(JCT)間の下り車線に、開通から約1カ月で穴が開いたことが分かった。 (…

京大病院におけるインシデント報告

インシデントとアクシデントの使い分けは日本独自のもの(2010年6月7日)に関連し、京大の状況を報告した記事を紹介する。 「インシデントレポートは病院へのコンサルテーション。患者の治療のための前向きの業務」に次のような記載がある。 ーー医療安全活…

インシデントとアクシデントの使い分けは日本独自のもの

青森に行った時、ある演者が「もうヒヤリ・ハット」という言葉は使わないことにしたと述べていた。次のような趣旨の論文が看護雑誌に載っていたことに影響されたらしい。 日本では、このハインリッヒの比率から派生した「ヒヤリ・ハット」という言葉を使って…

DPC病院からの転院には注意が必要

本日、リハビリテーション医学会の回復期(転院)というポスターセッションで発表をしてきた。どこの回復期リハビリテーション病棟も、急性転化について悩んでいることがわかった。 同一病院内の患者だけ受け入れているところと、急性期病院からの患者がほと…

上海万博PRソング、岡本真夜に依頼

上海万博PRソング盗作問題が急転直下した。岡本真夜「そのままの君でいて」上海万博公式PR曲に決定 - 音楽ナタリーより。 このたび上海万博実行員会さんより「上海万国博覧会公式PRソング」に「そのままの君でいて」の楽曲使用の依頼をいただきました。 世界…

「不慮の事故死亡統計」にみる転倒・転落、窒息対策の重要性

2010年3月4日、厚生労働省:平成21年度「不慮の事故死亡統計」の概況が公表された。 「不慮の事故死亡統計」について 「不慮の事故死亡統計」は、毎年公表している人口動態統計をもとに、日本において発生した日本人の不慮の事故による死亡の動向について時系…

まつ毛エクステンションにおける危機管理

厚労省の新着情報を見ていたら、厚生労働省:まつ毛エクステンションの危害情報についてというものが目についた。独立行政法人国民生活センターの公表資料、まつ毛エクステンションの危害をみると、次のような事態になっている。 4.危害事例にみられるまつ…

病院での窒息事故相次いで報道

病院での窒息事故が相次いで報道された。 川西市立川西病院(同市東畦野5)で昨年10月、入院していた兵庫県猪名川町の男性=当時(69)=が食事をのどに詰まらせて死亡していたことが16日、分かった。入院時に「食事は自分でできるが、詰め込みすぎる…

北九州市「認知症高齢者の爪きり事件」

日本看護管理学会 トップにおいて、北九州市「認知症高齢者の爪きり事件」、傷害被告事件に対する意見書が公表された。 本事件については、2007年10月4日、日本看護協会が、北九州市「認知症高齢者の爪はがし事件」に関する日本看護協会の見解を公表している。…

鍼治療後に生じた両側性緊張性気胸の1剖検例

鍼治療後に生じた両側性緊張性気胸の1剖検例という論文を見つけた。日本法医学会の英文誌に報告されたものが、全日本鍼灸学会雑誌に転載された。剖検所見より、「以前にも鍼による胸腔内への穿通が生じていた可能性が考えられた。」となっている。 今回の死…